プロローグ

 

人にはそれぞれ思いがある。

恐怖、執念、願望そして欲望

様々な思いが交差する中

一人の青年を中心に、物語が動き出そうとしていた・・・

 

機動戦艦ナデシコ 〜engagement〜

 

一人の少女がいた。

いつも一人孤独を抱えている。

誰とも話さず

ただ一人で座っていた。

見ていて自分と似ていると思った。

だから僕は声をかけた・・・。






その日も私は一人だった。

目の前には楽しそうに遊んでいる子供達・・・。

けれど、一緒に遊ぼうとは思わなかった。

自分だけが悲劇のヒロインのつもりだった・・・。

私はいつも一人だった。

暗く、狭い殻の中に一人閉じこもっていた。

ふと気が付くと目の前に手が差し伸べられていた。

その日私は一人ではなくなった。



思った通りその少女とは仲良くなれた。

二人でいると落ち着けた。

一緒にいるだけで心の傷も癒された気がした・・・。

ずっと一緒にいた。

他には何もいらなかった。

これからも何も変わらない、そう思っていた。







別れは突然やってきた。

私を引き取ってくれる人達がいる・・・。

一瞬耳を疑った。

幸せな日々は長く続かない。

そんな現実を目の前に突きつけられた気がした。

だから私は断ろうとした。

私は少年と一緒にいられるだけで幸せだった。







一人の少女がいた。

僕と似た境遇を持つ大切な少女。

この世に只一つ残された唯一の生きる糧でもあった。

どこにも行って欲しくなかった。

けれどあえて僕は背中を押した。







少年は私にとってなくてはならない人だった。

少年は反対してくれると思っていた。

そんな私にかけられた言葉、それは私の心に悲しく響いた。

また一人に戻ってしまうと思った。

あの一人でいる孤独な感覚。

それを思い出しただけで目の前が闇に包まれてゆくようだった。

そんな私にペンダントと共にかけられた言葉

それは・・・。






『生きている限り、希望を捨てない限り、きっとまたどこかで会える。

だから・・・、きっと君を探し出す。どこにいるかわからなくても、何度離れても・・・。僕の全てをかけて』






それが少年と少女の間に交わされた。

最初で最後の、そして

唯一の約束・・・。

 

プロローグ完

 

あとがき

恥ずかしい!!

どうも、雄飛です。

かなり久々に手直しを加えたのですが、見直してみるとすっごく恥ずかしい・・・。

体がむずがゆくなってくるようなクサいセリフも・・・。

まあ新しいプロットでも、序盤から中盤まではそこまで変える必要はない、ということになり、

ほとんど手を加えないままのUPとなりましたが、

手抜きといわずどうかあたたかい目で見守ってやってください。

感想待ってます!!